わずか4%!「無痛分娩」がまだまだ少数派な4つの理由

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妊娠・育児

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もし赤ちゃんを授かったら、どんな分娩の方法を選びたいと考えていますか?

“生みの苦しみ”という言葉がある通り、どんな方法を選んでもリスクや痛みをゼロにすることはできませんが、痛みの中でもとくに強烈な“陣痛の痛み”をある程度和らげながら分娩するスタイルが“無痛分娩”です。

経験者の間では「産後の回復が早い」と語られることもあり、産後に仕事復帰を控えているママにとっては、ちょっと気になる分娩方法ではないでしょうか。

とはいえ、まだまだ無痛分娩を選択する妊婦さんはあまり多くないよう。それはなぜでしょうか?

今回は、ゲンナイ製薬が行った「出産に関する調査」などをひも解きながら、その理由について探っていきましょう!

 

■無痛分娩をしている割合は100人に4人だった!

ところで、初めての出産では、主にどんな分娩方法がとられているのでしょうか? ゲンナイ製薬の調査によれば、結果は以下の通り。

1位・・・普通分娩(71.6%)

2位・・・帝王切開(16.7%)

3位・・・吸引・鉗子分娩(7.6%)

4位・・・誘発分娩(5.3%)

5位・・・陣痛・分娩・産後の回復を1つの部屋で行うLDH(4.6%)

6位・・・無痛分娩(4.2%)

帝王切開や吸引・鉗子分娩、誘発分娩のケースの中には、普通分娩を予定していたものの、母体や胎児の状態を配慮し、急きょ行われたケースも相当数含まれると推測されます。

そして、無痛分娩は6位とまだ少数派であることがわかりました。

では、その理由を探っていきましょう。

 

■理由1:実施している病院が少ない

日本子ども家庭総合研究所の調査(2008年実施)によれば、脊髄の近くに少しずつ麻酔薬を注入していく“硬膜外無痛分娩”を行っている施設(病院、診療所、助産院)の割合は3割程度。

無痛分娩を選択するには、それに応じた施設と、麻酔手術に精通した経験豊かな医師の存在が欠かせません。

分娩施設のある産婦人科の数が限られていたり、麻酔医が不足していたりして、地域によっては“無痛分娩をしているかしていないか”の基準で自由に病院を選ぶことができないケースは多くありそうです。

 

■理由2:費用が高い

リクルートの調査では、年収が高いほど無痛分娩を受ける割合が高い傾向が見られました。世帯年収が300万円~500万円未満の世帯で3.2%だったのに対し、800万円以上の世帯では11.3%。小さな数字でありながら、興味深い”差”が見られます。

例えば東京都の愛育病院では、“麻酔分娩”は、正常の分娩に加え20万程度の料金が追加されます。

その後の子育てにお金がかかることを考え、二の足を踏んでいるママもいると推測できます。

 

■理由3:リスクが怖い

出産に100%の安心・安全はありません。臨月まであらゆる検査や、数値が「順調」と言われていても、分娩のその“瞬間”までは、何が起こるかわかりません。

麻酔による母体や胎児への影響を懸念するママもいるでしょうし、周囲のママと違う方法を選ぶことがスリリングに感じられるケースもあるでしょう。

 

■理由4:痛みを乗り越えて“自然に産みたい”という思い

“じいじ・ばあば世代”の中には、「痛みを乗り越えてこそ親になれる」という考えを持つ人は少なくありません。そのため、普通分娩でないママが、産後しばらくコンプレックスを抱えてしまうことも……。

とはいえ「このお産をすれば、いい子育てができる」なんてことはなく、どのお産を選択してもみな等しく“母親”になることに変わりありませんし、陣痛を経験していない男性も“父親”になります。

 

以上、無痛分娩がまだ少数派である理由について探ってきましたが、いかがでしょうか?

今からちょうど100年前の1916年、生涯で13人もの子どもを産んだ女性歌人の与謝野晶子は、国内で初めての無痛分娩を行い、

<無痛安産法のお蔭で産後の苦痛と疲労とが少ない>

<神経過敏に分娩を怖れる女の為めに科学がもたらした唯一の恩恵>

という手記を残しています。

情報過多の時代だからこそ、「この方法でなくてはいけない」といった情報に心をかき乱されることもあるかもしれませんが、どの方法にもリスクやメリットがあることを踏まえ、自分にとって納得のいく選択をして妊娠期間を心穏やかに過ごしたいものです。

 

【参考】

出産に関する調査 – ゲンナイ製薬

出産・育児に関する実態調査(2014)- リクルート

順天堂医院での無痛分娩について – 順天堂医院

※ 松村由利子(2009)『与謝野晶子』(中央公論新社)

全国の分娩取り扱い施設における麻酔科診療実態調査 -日本子ども家庭総合研究所

出産のための入院費用 - 愛育病院

 

【画像】

※ YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)

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