「他人に必要とされる自分が自分」ジブリプロデューサー鈴木敏夫が部下に教えた仕事術

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やりたい仕事や、自分らしさを探している――そんな人は少なくないでしょう。しかし、スタジオジブリの映画監督・宮崎駿氏を支える映画プロデューサーの鈴木敏夫さんは、「他人に必要とされる自分が自分」と言い切ります。

そんな鈴木さんの下で仕事を学んだ映画プロデューサー・石井朋彦さんは、『自分を捨てる仕事術-鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』(WAVE出版)を刊行。12月6日には総合書店hontoの主催で、初の師弟対談が行われました。

イベントレポート後編では、仲間の増やし方や、“自分”とは何かなどの考え方をお届けします。

【前編はこちら】「自分の意見は捨てなさい」ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが語る、仕事が楽しくなる方法

 

■仲間を増やし、自分と相手の“得意技”をかけあわせる

どんな仕事でも、チームプレイの部分はあるでしょう。周りの“仲間”との協力は、必要不可欠ですよね。

鈴木さんは、仲間の増やし方について“自分の得意技を考え、自分にないものを持っている人と組んだほうがいい”と述べました。得意技をみつけるにはどうすればいいのでしょうか。

石井朋彦さん(以下、石井):あるとき、「宮さん(宮﨑駿)の得意技はなんだ?」と聞かれたんです。僕が「アニメーションの天才ですよね」と答えたら、「もっと細分化しよう」と鈴木さんは仰った。

鈴木敏夫さん(以下、鈴木):“アニメーション”という大きいくくりだと、天才はたくさんいるからね。

石井:で、「宮さんは、誰も見たことのないキャラクターを思いつく名人なんだよ」と

「だから俺は、宮さんがそういう企画をやるように仕向けている。自分の身の回りの色々な関係者も、その人にしかない得意技まで細分化して考える。それをいっぱい集めると、仕事になるんだ。相手のことも尊敬できる」と教えられました。

“仲間”と言うと、同世代の人が思い浮かぶかもしれませんが、それは鈴木さんに禁止されていたんですよ。「同年代との飲み会は行くな!」って(笑)。

「同世代が同じ夢を持って、夢を語っても意味がない。組むんだったら、自分より上の人か、決定権がある人か、もしくは自分に持ってないものを持っている人にしろ」って。

鈴木:びっくりするね(笑)。

石井:でも、確かにそうなんですね。楽しいしラクだし、話し終わったあとは何かしたような気になるんだけど、べつに何にもならない。

鈴木さんは「若いころ俺は、一回もそういうところに行かなかった」っておっしゃってました。「俺は常に若い人か、自分より年上と仕事してきたんだ」って。確かにあんまり、鈴木さんの周り、同世代いないですよね。

 

■やりたい仕事探しよりも……他人から任された仕事を、一生懸命やる

仕事をしていると、「これは自分にしかできないから」「何としてでも自分がやりたい!」と意気込んでしまうことがあるかと思いますが、鈴木さんは「言われた仕事を一生懸命やればいい」と教えたそうです。

石井:鈴木さんが「辞めていく若手は、自分がやりたい仕事はべつの仕事な気がする、みたいなことを言う」と仰っていたことがあるんですね。

「そんなバカなことないよね。誰かに必要とされて、はじめて自分がいるんだから、言われた仕事を一生懸命やればいいじゃん」と。

はじめはわからなかったけど、僕もだんだん、人からいただいた仕事の方がうまくいくと気づきました。あと、鈴木さんは「自分で決めて自分でやろうって言うと、自分で責任取らなきゃならないって、大変じゃん」とも(笑)。

鈴木:(笑)。

 

■「自分がやった仕事だ!」と主張しない――「そんなことはどうでもいい」

仕事がうまくいったとき、「あれ、私がやったんだよね」などと、つい口にしたくなりますよね。鈴木さんの仕事の考え方にあてはめると、「そんなことはどうでもいい」のだそう。

石井:若手のころ、会議のときに「僕が言ったことじゃないですか!」と、かみついたことがあるんです。

そうしたら鈴木さんに「どうでもいいじゃん、そんなこと」って言われたんですよ。それも「え~? どうでもいいじゃん、そんなこと」って、気の抜けた感じで。それを聞いて本当に恥ずかしくなって、「確かにどうでもいいな」って。

鈴木:宮さんもそうだね。「あれは俺がやった」「これも俺がやった」とか、絶対に言わない。宮さんはむしろね、人が何をやったかを覚えてるの。ほんとにそれは感心する。

石井:近い話で、打ち合わせのテクニックとして教えてもらったのが、「『僕はこう思います』とか『それ違うと思います』とか言うな」と。

結論を先に言うと拒否されちゃうから、自分の結論に近い人が表れたら、その人を褒め続ける。「さっき○○さんがおっしゃってた話、すごくいいと思います」とかね。

まず、相手をほめて、相手が言ったことにしてから、自分の話に持ってく。そうすると、意見も通るし、みんなも気持ちいい。鈴木さんからは、そんな“自分を捨てる”仕事術を、たくさん教えてもらいました。

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右から、石井朋彦さん、鈴木敏夫さん、『崖の上のポニョ』のテーマソングにて“藤岡藤巻”として歌唱をつとめた藤巻直哉さん(同イベント司会)。

 

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【参考】

鈴木俊夫(2016)『ジブリの仲間たち』(新潮社)

石井朋彦(2016)『自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』(WAVE出版)

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