精神科医に聞いた…「性格と心の病気の境界線」はどう引くの?

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ネガティブでイライラしがちな自分に自己嫌悪になりながらも、誰にも相談できないままひとりで悩んでいませんか?

「もしかしたら、心の病気かもしれない……」と思うことはあっても、それを認めたくない、精神科を受診すること自体に抵抗感がある……という人も、中にはいるかもしれません。

または、ただの性格や気持ちの落ち込みと“心の病気”の違いというものがイマイチわからないので、「とても辛い」と思いながらも、なんとなく不調をそのままにしているというケースもあるかもしれません。

そこで今回は、大阪市中央区の『アウルクリニック』院長で精神科医の片上徹也先生に、“心の病気と性格の境界線”についてわかりやすくご解説していただきました。

 

■心の病気の境界線は、“病気の種類”によってまったく違う。うつ病の場合のポイント3つ

心の病気と、たんなる性格的な問題の違いとは一体何なのでしょうか? 自分自身で早めに異変に気づくための大きなポイントを教えていただきました。

「この質問に対する答えは、病気の種類によってまったく異なります。ですので、今回はもっともポピュラーな“うつ病”に絞って解説します。

この不調はうつ病なのか、それとも単なる甘えなのか?と悩まれている人も多いかもしれませんね。私が普段の外来の中でも気をつけている3つのポイントがあります。

一つ目は、“無快楽症”という症状です。これはつまり、“何をやっても楽しくない”という状態に陥っていることを指します。

二つ目は、“落ち込む時間帯”です。朝の落ち込みが一番ひどく、昼から夜になるにつれてだんだんと調子がよくなってくるというのも、重要なポイントですね。

そして三つ目は、“身体的な症状”。頭痛がしたり食欲が出なかったりと、体の不調も大事な症状です」

 

■セロトニンの量がおかしくなっているのがうつ病の原因だといわれている

ところで、上記のような症状に悩まされている時、体の中ではどのような異変が起こっているのでしょうか?

「このような症状は、ほぼすべてセロトニンという“不安や気分に関係するホルモン”の量がおかしくなっていることが原因だと言われています。

では外来でこのホルモンを測れるのかというと、今の医学では不可能です。脳みそをちぎって測定するわけにもいかないので、尿の代謝産物を計測します。

また、最近では、光トポグラフィーや脳のMRIといった画像による解析も進んでいます」

 

■“白か黒か”ではなく、軽症から重症までグラデーションがかかったようになっている

健康な人でも、上にあげたような症状を感じることがありますよね。どこまでが“健康”で、どこからが“病気”なのでしょうか?

「ピッタリとした数値があるわけではなくて、軽症から重症までなだらかなスペクトラム(注: 連続体という意味)が存在します。

最も大切な見極めポイントは、途中までは楽しく頑張っていた人が、ある時急に体調を崩し上に挙げたような症状がでてきた、という状態です。

性格というのは、もともと持って生まれたものです。一方、病気の場合はある時点から異変が現れます」

精神科で診察を受けることに強い抵抗がある、具体的な病名をつけられ薬を処方されたら精神的ショックを受けそうで怖い、という方もいるかもしれません。

片上先生によると、現在の医療制度では病名をつけないと保険診療の対象にならない、という背景があるのだそうです。

そこで片上先生は、患者さんがもっと気軽に相談できるよう、心理士によるカウンセリングやプライバシーへの配慮など、“精神科の敷居を下げる”ためにさまざまな工夫をされています。

もし上記のような不調を感じたら、ひとりで悩まずに、精神科医や心理士などの専門家に気軽に相談してみましょう。

 

以上、“心の病気と性格の境界線”についての解説でしたが、いかがでしょうか?

片上先生の『アウルクリニック』のように、悩みを気軽に相談できるよう配慮しているクリニックも全国に増えつつあります。

つらい時は、自分ひとりで勝手な判断をせずに専門家に早めに相談することが大切です。

 

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【取材協力】

片上 徹也(かたかみ てつや)・・・1984年生まれ。奈良県立医科大学卒業。済生会野江病院、阪本病院、サムライクリニック院長を経て、昼間は大病院にて常勤医として勤務をする傍ら大阪市中央区にアウルクリニックを開院。また非常勤医師として、アルコール依存症専門病院、小杉記念病院にてアルコール依存専門外来を担当し、現在は八尾徳洲会総合病院にてコンサルテーション精神医学、リエゾン精神医学や、国立病院機構 南大阪医療センター附属看護専門学校にて、精非常勤講師(精神医学)を担当。NHK『かんさい熱視線』をはじめ、メディア出演実績多数。日々の診察業務の中で、格差社会における教育の重要性を痛感し、著書『超付箋法 一週間100円で天才と呼ばれる方法』を執筆。

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