嫌いでも見捨てられない…「困った親」女性たちはどう対処してる?

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親子関係の深刻な悩みは、他人に相談できずにひとりで抱え込んでしまうことも多いようです。

勇気をもって打ち明けたとしても、親子間での確執をなかなか他人には理解してもらえず、それどころか「どんな親であっても生んでもらったことに感謝して親孝行するべきだ」と周囲から諭されてしまったという声も。

では、親子関係で長年悩んできた女性は、大人になってからいったいどのように対処している人が多いのでしょうか。

『BizLady』が女性500名を対象に実施した“親子関係のトラブル”に関するアンケート調査を参考に、お伝えします。

 

■親子関係のトラブル経験者は約3割「物理的距離を置いてたまに連絡する」が最多

同アンケートで、まず「自分の親との関係で困った経験はありますか?」と質問したところ、「ある」と答えた人が全体の33.4%(167名)、「ない」が66.6%(333名)でした。

このアンケートだけでは、どれくらい深刻な状況のかはわかりませんが、全体の約3割の女性が親子関係で何らかのトラブルを経験したことがあるとわかりました。

そして、「ある」と答えた167名の人に「親との人間関係に困ったときに具体的に対処したことや、その後の様子について当てはまるもの」を尋ねたところ、以下のような結果となりました。

1位・・・離れて暮らして物理的な距離をとりつつ、たまに連絡する(34.7%)

2位・・・感情を押し殺してちゃんと面倒を見ている(16.2%)

3位・・・様々なしがらみから、大人になっても離れられず密接に関わっている(13.2%)

同率3位・・・大人になってから完全に和解して今は仲良し(13.2%)

5位・・・絶縁した(12.6%)

 

■嫌いでも、簡単に離れられない……当事者にしかわからない複雑な想いも

もっとも多かったのが、就職・結婚などで生まれ育った実家を出て、物理的に距離を置きながらたまに連絡するという選択肢。一緒に住んでいる時はトラブルが絶えなかったという人も、ほどよい距離を置くことで関係が改善することもあるようです。

さまざまな感情を押し殺しながら、密接に関わり面倒を見ているという声も多く寄せられました。傍から見れば「もう少し距離を置いて自分の幸せを考えたらどうか」と思うような状況でも、当事者にしかわからない複雑な想いや、並々ならぬ決意もあるのでしょう。

「完全に和解した」「完全に絶縁した」という人もそれぞれ約1割いました。

 

■かつては法律にも定められていた“親孝行”に関する儒教の教え

親子関係に悩んでいる人は、日本以外の国々にももちろんたくさん存在しています。しかし、日本の場合(中国・韓国も)は、“子は親を敬い、親のために尽くさなければならない”という儒教の教えが社会全体にいまだに根強く残っていることも、この問題をより一層深刻化させていると言われてきました。

この儒教の教えは、かつては法律にも定められていました。1973年に「法の下の平等に反する」として違憲判決が下され廃止された、刑法第200条“尊属殺人罪”です。自己または配偶者の直系尊属(両親、祖父母など)を殺人した場合は、それ以外の殺人よりもより厳格に処罰され、“死刑または無期懲役”のみを受けると定められていたのです。

この違憲判決が下されたきっかけは、ある女性による実父殺しの事件でした(「栃木実父殺し事件」と呼ばれています)。その女性は、子どもの頃より実父から長年にわたって性的虐待を受け続け、実父との間にできた子どもを何人も出産させられました。

その後、大人になった女性に相思相愛の男性が現れ、その男性と結婚をしたいと実父に伝えたところ、嫉妬して怒り狂った実父に10日間にわたって監禁され暴行を受けたため、ついに耐えかねて実父を殺害したという、筆舌に尽くしがたいほど惨い事件です。

この事件は、日本社会に“親子とは何か”という疑問を投げかけました。

 

■血縁で結ばれた人、愛情で結ばれた人……さくらももこさんの答え

エッセイストとしても長年人気を誇っている、漫画家のさくらももこさん。今から20年以上前にさくらさんが発表したエッセイ『メルヘン翁』は、じつの祖父のお葬式をブラックユーモアでまとめた衝撃的な内容です。

同エッセイを発表後、さくらさんは読者から「家族の悪口を書くのはどうなのか」という批判の手紙を何通か受け取ったそうです。同エッセイが収録されている著書『もものかんづめ』のあとがきの中で、さくらさんはこのようなコメントを残されています。

<うちの爺さんは私や私の姉や母に対して愛情がなかった事は事実である。だから、当然私達も爺さんに対して何の思い入れもなかった。(中略)“身内だから”とか“血がつながっているから”という事だけで愛情まで自動的に成立するかというと、全くそんな事はない>

そして、さくらさんにとって大切なのは、血縁があるかどうかでなく、人として“好きか嫌いか”だそう。

<私は両親が好きだ。姉も好きだ。血のつながり以前の基本的な想いである。そしてそれが愛情へと行きついている>

 

以上、親子関係のトラブルに関するアンケート調査でしたが、いかがでしょうか?

家族とは何か、愛情とは何か……重いテーマなだけに簡単に答えが出るものではありません。

ただ、親と言っても別の人間。家庭にはさまざまな事情はありますが、自分の感情を殺してまで関わる必要はないのではないでしょうか。

つらい気持ちを抱えている人は、無理をしすぎないでくださいね。

 

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【参考】

昭和45(あ)1310 尊属殺人事件  最高裁判所大法廷 判決

さくらももこ(2001)『もものかんづめ』(集英社文庫)

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