育児が辛い、子ども欲しくない…「育児の負の感情」の原因が科学で判明!

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妊娠・育児

メンタルヘルス, 共働き, 子育て

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「子どもを育てることは、この上ない幸せであり、また同時に苦行でもあるのかもしれない」。これは、1歳と0歳の男児の育児にかかりきりだったころ、筆者が殴り書きのように日記に書き残していたメモ。

今、いずれは妊娠を望む女性も、子育て真っ最中の女性も、子どもがある程度育った女性も、育児に関して何らかの“不安”を抱えているのではないでしょうか?

昨年、NHKスペシャル『ママたちが非常事態!?最新科学で読み解くニッポンの子育て』が、大きな話題や共感を呼び、あまりの反響の大きさから書籍化に至りました。

最新科学で日本のママの悩みを読み解いた書籍では、子育てを不安にさせるいくつかの要素が、科学的な視点で紹介されています。

 

■“孤育て”がツラい……と感じる理由は、人間の本能に直結していた!

産後のママ達の多くが直面するのが、「これで正しいのか?」という“不安”と、言いようのない“孤独”。出産前には思いもよらなかった強烈な孤独には、いくつかの要因がありました。

・妊娠中に多く分泌された幸福感をもたらすホルモンが、出産後に急降下し、脳で孤独や不安を感じやすくなる。

・人間が本来行っていた育児は、共同体での“共同養育”であり、母親がほぼ1人で育児を担う形が急速に進んだのはここ100年の間であり、本能が追い付いていない。

・日本では、父親の長時間勤務や、「育児は母親主体で行うべき」といった固定観念により、男性の家事・育児協力時間が他の先進国に比べきわめて短く、母親が育児の大半を担っている。

・核家族化が進み、親族や地域のつながりが薄れ、家庭の“密室化”が進んだ。

『ママ達が非常事態!?』では、人間の太古の子育てを行っているカメルーンの民族“バカ族”の生活に密着しています。

バカ族は、母親がたきぎ拾いや用事で出かけている間、他の女性が自分のお乳をあげたりして子どものお世話をします。

共同体の大人なら誰の子でも世話をするのが自然で、子どもをみんなで育てているのです。

<実はこれこそが、多くの子をちゃんと育てあげていくため、700万年前に私たちの祖先が獲得した子育て戦略。つまり、人間本来の子育ての形だったのです>

そして、ニッポンのママが“ママ友”を求めたり、面倒に見える母親社会にどっぷり浸かる“ママ友現象”は、「共同養育をしたい」という母の本能が引き起こしている現象だと分析しています。

もし、育児中のママが孤独を感じていたり、自分の妻や家族が孤独に悩んでいたなら、それは本能に乗っ取った自然なことであり、身近な人の孤独に寄り添う必要があると言えるでしょう。

 

■子ども欲しいけど、「子どもを持つのが不安……」その最大の理由とは?

いずれは子どもを持ちたいと考えている女性の中には、「自分には母性がないのかもしれない」「子育てに向いていない」と、不安に感じている方がいるのではないでしょうか?

<「わが子をいとおしいと思う気持ち、いわば母性は、もともと母の体に備わっているものではなく、経験の中で生まれるのではないか?」>

京都大学霊長類研究所のメンバーは、人間ときわめて近い進化をしてきたチンパンジーが、育児放棄をしてしまったことから、このような仮説をたて、1頭のチンパンジーの変化を観察し、その仮説を立証します。

さらに、大阪医科大学と福井大学の研究者が、人間の母性についても研究を行い、研究メンバーの教授が、このような意見を見出します。

<わが子を愛おしいという気持ち、母性というものは、もともと女性の脳に備わっているわけではなさそうです。赤ちゃんに実際に触れ、育児を経験する中でそのスイッチが入り、どんどん育まれているものだということを、今回の研究結果は示しているのだと思います>

ところが、共同養育が消滅した現代、女性も男性も、親になる前に赤ちゃんに触れる機会が少なく、「何の準備もなく母親になる」という試練に直面するため、出産のハードルを高くしたり、「育児に向いていないのかもしれない」と悩む要因の1つとなっているとも考えられています。

同様に、ニッセイ基礎研究所の天野馨南子さんは、論文の中で現代の日本の男女に赤ちゃんとのふれあい体験がきわめて乏しいことを指摘。

“慈しみ育てられるか弱い赤ちゃんの存在を身近にみること”、“赤ちゃんとのふれあい体験を持つこと”が、結婚意欲や子どもをもつ意欲にプラスの影響を与えると分析しています。

「なんとなくわかっていること」は、すべてわかったような気持にさせ、不安を増大させることがあります。不安の緩和には、知識より事前の体験こそが役立つと言えます。

 

以上、NHKスペシャルで紹介された最新科学と日本の子育ての現状でしたが、いかがでしょうか?

『ママたちが非常事態!?』の書籍版は、以下の言葉で締められています。

<科学的見地に基づく子育てへの理解と、たった1人から始まるほんの少しの変化が、非常事態であるニッポンの育児を幸せへと導く力になることを、心から願っています。>

「母親なんだから、すべて責任を持て!」「子育ては家庭で完結させるべき」。

そのような言葉は、ますます母子を密室に追い込み、結果、母が子どもを囲い込むことにつながり、人間が本来行っていた“共同養育”からますますかけ離れていく要因となるのかもしれません。

 

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【参考】

※ NHKスペシャル取材班(2016)『ママたちが非常事態!?最新科学で読み解くニッポンの子育て』(ポプラ社)

長期少子化社会に潜む負のループ「赤ちゃんを知らない」子どもたち – ニッセイ基礎研究所

 

【画像】

※ Ushico / PIXTA(ピクスタ)