「残業ゼロには、妥協ではない割り切り方を」JALが語る働き方改革

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政府が推し進める「働き方改革」。企業が実践するには、どんな苦労があるのでしょうか。また、社員はどのくらい働きやすくなるのでしょうか? 企業にインタビューし、現場のリアルをお伝えします。

日本航空(JAL)の激務部署だった「調達本部」が、ほぼ定時帰宅の部署に生まれ変わるまでのストーリーとは。前編では、改革のポイントになった「5本の柱」について、埋金洋介さん(調達第一部 企画グループ グループ長)に伺いました。

後編では、調達本部で働く子どもを持つ女性社員・高橋慶子さんも含めて、働き方がどう変わったかをインタビューします。

【前編はこちら】「あそこにだけは…!」JALの激務部署が残業ほぼゼロに生まれ変わるまで

 

家庭の事情で定時帰宅……「申し訳なさ」をいつも感じていた

――高橋さんは、ずっと調達本部にいらっしゃったのでしょうか。

高橋慶子さん(以下、高橋):私はもともと、グループ会社の「JALセールス」で営業をしていました。結婚を機にJALの財務部に移り、その後、調達部へ異動に。異動の辞令が出たときは、「いちばん帰れない部署に異動になっちゃったね」と周囲に心配されていました(笑)。

一方で、私は子どもが3人いるので、調達本部に異動してからも定時には帰宅させてもらっていたんです。みなが遅くまで働いているのを見て、いつも罪悪感を覚えていました。チームメンバーは「気にしないで!」と言ってくれるけれど、正直「お先に失礼します……」という感覚がありましたし、家に帰ってからも仕事が気になる日々でした。

 

——改革してみて、いかがですか。

高橋:気持ちにも変化がありましたね。それまでは、家庭か仕事かを選ばないといけない……と思っていましたが、両立できるんだと。周囲の社員からは、定時で退社できるようになったので習い事を始めた、なんて声も聞きます。

 

――社内の空気は、どう変わったと感じますか。反発はありませんでしたか?

高橋:社内の空気は明るくなったと感じます。ペーパーレス化やノートPC化によって、物理的にモノがなくなり、オフィスを見通せるようになりました。みんなが仕事している姿は、今までは書類やPCに埋もれてしまっていましたが、今は仕事に集中している表情が見えるので刺激になります。視界が変わると気持ちが切り替わるので集中できますね。

反発という面では、ペーパーレスについて困惑している声はありました。ペーパーレス化といっても、契約の関係で保管しておかなければならない書類もありますので、いったいこの量をどうすれば……と。でも実際にやってみると、みんなも慣れてきてなんとかなるものですね。

 

自宅勤務は緊張感がある……「社員がサボるかも」という心配はいらない

――自宅勤務はいかがでしょうか。結婚しているかどうか、子どもがいるかどうか、介護中かなどは問わず、調達本部の人は全員、月1回は必ず行うように決められているそうですね。企業側には「社員がサボるんじゃないか」という心配もあるかと思いますが……。

高橋:会社にいるときと同じ成果を求められますし、報告書も提出しなければならないので、緊張感がありますね。サボるどころか、仕事が捗ります。自宅だとお手洗いに行くのも時間がかからないし、社員同士のちょっとした立ち話などがなくなるので、目が痛くなるほど仕事に集中してしまうこともありますよ。

また、誰が今どこで何をしているか、何時から何時までが勤務時間なのかは、PCの画面上で確認できるようになっています。何か用事やミーティングがあるときはFaceTime(編注:iPhone同士で使える通話・ビデオ通話機能)を使えますので、情報共有もスムーズに行えチームワークが乱れることもありません。

やはり、通勤時間がかからないのはありがたいですね。例えば平日でも、夕方の病院に間に合ったりします。

 

勤務時間を選べることで生活が豊かに

――勤務時間帯選択制度で働く時間も選べるとのことですが、生活は変わりましたか?

高橋:早めに出勤して夕方からは子どもとサッカーの試合を観に行ったり、学校の行事に出席してから出社したりと、今まで有休や半休をとらなければできなかったことが、通常の勤務日にも可能になって助かっています。これまではいつも有休が足りない!という状態だったのですが、有休は終日フルで用事のある日に当てられるので、有意義に使えるようになりました。

 

――働くお母さんの姿を間近で見ることで、お子さんに何か変化はありましたか。

高橋:働く姿を見ることで、仕事というものが近くに感じられるようになったみたいです。「キーボードを打つのが早いね」「どんな仕事をしてるの?」と、興味を持ってもらえることが増えましたね。自分が将来の道を考えていくときに参考になればいいなと思っています。

 

働き方改革に必要なのは「妥協ではない割り切り方」

――埋金さんにお聞きします。残業をなくすにあたり、クオリティ管理をどうするかは多くの企業にとって課題だと思いますが、そのあたりはどのようにクリアしましたか。

埋金洋介さん(以下、埋金):どこで満足するか、だと思っています。時間をかけて100点を目指すのは、自己満足の部分もあるんじゃないかと。例えば、その書類は本当にそこまで細かく作らなければならなかったのか、とか。妥協ではない割り切り方が必要なのではと思いますね。今もジレンマはありますが、改革したことで、時間はいくらでも費やせるんだという考え方はなりました。このやり方でよかったのかと、都度見直して改善しています。

組織全体で考えたときに、アウトプットはできているけど時間をオーバーする人、時間は守るけどアウトプットができていない人、どっちがいいということではないんですよね。どちらも必要。「クオリティを保ちつつ定時で帰ろう」というのは、厳しいことを要求されているとは思います。

 

——高橋さんは実際に業務の効率化で、何か工夫はされましたか?

高橋:私の業務はもともと省けるところが少なかったのですが、手順の見直しはしました。例えばチームメンバーと情報を共有するにあたり、ミーティングではなくメールでやろうとか。

埋金:2ステップでやっていたことを1ステップで行うなど、無駄な資料、会議はなくしました。人事部からは例えば会議のときには、PC上に会議にかかるみんなのコストや、時間内に会議が終わるためのカウントダウンタイマーというツールが紹介されたりしています。

高橋:あとは集中度ですね。17時半くらいから、みんな必死になります。「これは今日中にやりたいから、ちょっと話しかけないで!」みたいな(笑)。

 

——今後、さらに改善していきたい点はありますか。

埋金:機能的には、電話ブースを作りたいですね。健康のために、立って仕事ができる席がもう少しあってもしれません。あとは基本的なことですが、整理・整頓・清掃・清潔を継続し、仕事のし易い職場環境作りを心掛けていけたらと思っています。

 

 

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